失恋にはバリスタ王子の恋ラテをどうぞ。


「私は…昔から、心臓が弱かったんです。翔と付き合って2年経ったある時、ついに心臓の病気にかかりました…」


「そんな、今は大丈夫なんですか…?」


心臓の病気だったなんて…。
もしかして、2人が別れた理由って、その病気が関係してるの?



「心臓の手術をしたので、もう平気です。だけど、あの時は、命に関わる手術だったのと、ずっと病気と生きていかなければならないって言われていたので、翔の重荷になりたくなかった…」



「だから、別れたんですね…」


それは、とても深い傷をつけて。


でなければ、翔は美紀さんを病気ごと受け入れて生きるって言ったはずだもの。



「ただ、優しい彼の心を…とても傷つけてしまいました。謝ってもきっと許されないでしょうから…あぁして、遠くから見守るしかなかったんです」


好きなのに、守るために嘘をついた。
大切な人を自ら傷つけるのは、どんなに苦しいだろう。



互いに切れない苦しみ。
なんて、悲しい関係なんだろう…。


なぜか、あたしが悲しくなった。
自分だったら、きっと弱くて、出来ない。





























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