梅に鶯 ~新選組と私に刀~
「土方…助けてやってくれ
悠真を死なせては、ならん
約束してくれ!!」




土方は、力強く頷く





「約束する!!」




少しも、嘘のない目を見て

悠真を土方に渡した






「まだ小さかった悠真を
川で助けたことがある
母に、川で遊ぶように言われ、溺れたのだ
お前の母は、お前の命を狙っているから
気をつけろと
幼い悠真に言った
探しに来た男に見つからぬよう
隠れたところ
その男は、悠真の素性を口走った…」




「本当か?」



「川で遊ぶには、特別な訓練がいるとか
嘘も教えていたな…」




「土方さん、その人の話、本当です
母から、命を狙われていたと
朝比奈さんから聞きました」




「血相変えて、俺を追いかけていた理由は
自分の素性を知る者を消す為だろう
だが、その必要がなくなったように
悠真が言った
まるで、死に支度でもしているように
思えて、お節介をしたが正解だったな」






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