梅に鶯 ~新選組と私に刀~
「目を覚ましたら、伝えてくれ
友として、あの日聞いたことは
墓場まで持っていくとな」



もう一度、悠真の顔を見る



前髪を掻き上げてみると


確かにあの頃の、面影がある












「可哀想に……
まだ、あの頃と同じなのだな……」








迎えに来た男に、ヘラヘラと笑い


わざと、ものを知らぬふりをする


本当は、母の為に死のうと


自ら川に入ったのでは?






そんなふうに思えてならない





「どうか… 幸せに…」









新選組を後にした


誰も追ってくる気配がないのは



土方の指示だろう









あの男は、信用できる



















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