梅に鶯 ~新選組と私に刀~
「悠真は、徳川家の御息女でも
世間に公表されてない
今まで通り、警護として連れて行く
だが、悠真に怪我のないようにな!!」




土方さんの声……





私が徳川の生まれだと、知っていたの?




〝あんたなんかを好きになると思う?〟


なるはずない……







〝あんたが便利だからでしょう〟



私の心を知って……





〝他の幹部らも、あんたに甘いのは
利用価値があるからよ〟



徳川の娘を利用しようと……?







おタエの言葉の意味を理解した


私は、唇に触れた




あの口づけも、嘘?




どうして、私の素性を?



桂?



朝比奈?




どうして??



誰を信じたらいいの?





夕餉の片づけをおタエとしていると


おタエが、言った




「私、土方さんが好きなの!
ねぇ 私が恋仲になれるように
応援してくれない?」





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