梅に鶯 ~新選組と私に刀~
「悠真、話がある」


「何?」 



2人して、朝までぐっすり寝ていた


朝餉の後、悠真と向き合って座る




「高杉は、労咳だ」


「うん…気づいてたよ」


「お前は、健康だ」


「うん…丈夫だと思う」


「そうだな
友として、言う
死んで楽になろうなどと思うな!!
きちんと生き、最後まで生きろ!!
病で…志半ばで、去る者より堕落して先に
死ぬことは、ならん!!」


「うん…」



「生きることに真剣になれ
自分を守れ!そうでなければ、廻りの
大切な者を失ってしまう!
何のために、強いのだ?
誰かを守る為だろう?」


「うん…」


「新選組に何か不満があるのか?」


「ない」


「ないという顔じゃないな?」


はったりをかます


「桂…私の素性を誰かに話した?」


「高杉にも言ってない」


「そう、なら朝比奈ね……」


「奴ら、知っているのか?」


「うん…だから、私が必要なのかなって
ほら、利用できるでしょ?」


「お前……高杉の言うように
バカだな……
悠真は、悠真であって、どんな血筋だろうが、お前だから守りたいのだ
言っておくが、俺もお前が友だから
こうして、助けた
血筋がどうの、なら殺してる
それに、お前…世間に公表されてないんだから、大して利用できねぇだろ……」


「え……そうなの?」


「ふっ 新選組の奴らに昨日会って来た
心配してたぞ?」


「……私、どうしたら良いかなぁ……」


「九日後、一緒に新選組に行くことになっている
それまで、悩めばいい
俺としては、高杉の相手をしてくれると
助かるのだがな…」




悠真を敵にしたくない



戦いたくない


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