梅に鶯 ~新選組と私に刀~
「では、また!
皆さんによろしくお伝え下さい!」


「おう!ありがとうな!!」



悠真の背中は、少し寂しげだった









屯所に戻ると、皆が土方さんの部屋に

集まっているので

俺も、と門番に言われた




「土方さん」

「永倉 入れ」


襖を開けると、皆勢揃い


「どこ行ってたんだ?」

「散歩してたら、悠真に会ってさ
一緒に暇つぶししたんだ
皆によろしくってさ」

「ええーーずるいです!!」

「なんだよ!連れて来いよ!!」

「その手があったか…
いや、遊びに来いっつたらよ
広沢さんに止められてるんだとよ」

「なんで!?」

「女が一人で男所帯に行くなって」

「俺達だけじゃあないもんな…」

「でも、アイツ強えだろ!?
どこにも属してないなら、浪士組に入れって誘ってみた」

「返事は?」

「男なら、はいと言ったが…って
困られた
なんか、ニコニコしてる割に
寂しげでよ…」

「家まで送ったのか?」

「今日は、刀持ってたから
つーか!そうそう…」


浪士に刀を向けたあの速さを語った



「へぇ 永倉君が言うほど速いの」

「手合わせ願いたいな」

「うんうん」

「槍とか、しねぇのかなぁ」



「ったく! お前らそればかりだな!」



土方さんが呆れる顔で言った







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