梅に鶯 ~新選組と私に刀~
佐々木さんと悠真が屯所に遊びに来たのは


数日後のこと




佐々木さんが剣術で、悠真に勝ったことがない

と、いう驚きの話を始めた




「ぜひ、手合わせ願いたい!!!」




普段、口数の多くない俺が


張り切って声を上げた



大注目の後




「斎藤さんは、左利きなんですよね!?
私!左構えの方と手合わせしたこと
ないんです!!ぜひ!!
あ!佐々木さん…いいですか?」


「土方さん!!」




土方さんと佐々木さんが、頷く









俺達は、道場へ




木刀を持ち





ビュッ





悠真が素振りを数回




以前、居合抜きをしたときといい




キレのあるいい音だ




「よろしくお願いします!」




いつものニコニコ顔から


キリリと勝負の顔になる



「斎藤 本気でいけよ!!!」


「佐々木さーん!私の応援して下さい!」


「斎藤 俺の仇を取ってくれよ!」


「もう!佐々木さん!!」



ニコッと笑ってから、またキリリ




「両者構え」



俺は、居合抜きの構えをした


悠真も、同じ構えをした


鏡合わせのようだな…



「はじめ!!」



ダンっ



悠真が足を踏みならし前へ


俺はすかさず木刀を振るが


悠真は、それより速くスッとしゃがみ


俺の腹に木刀が当たった



「勝負あり!悠真!!!」









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