梅に鶯 ~新選組と私に刀~
【永倉新八】



池田屋に悠真が、飛び込んで来た時は


心の臓が止まるかと、思った


暗闇でも、敵と新選組を見分け


手を怪我して、少し隙の出来た俺を


守ってくれた



ドカドカと、蹴り回すのは

考えものだが

刀を持ってねぇんだった…



「あれ?お前、何でここにいんだよ!!」


「お手伝いすることないですか?」


「……あっ
平助が斬られたんだ!診てやってくれ!」


「はい!!!」




医術の勉強を始めて、初の患者は平助か







池田屋を引き上げる時には、死人や

重傷者


それに、総司が高熱で意識がない



犠牲者を出さずに、手柄をたてることは


難しい



だが、少数でよく戦った



京を火だるまにされて、たまるかよ!!





「永倉さん!!手!!治療します!!!」





習いたてでも、器用な悠真が傷を

丁寧に縫う




「うめえな」


「ワイの教えがええねん!」


どっからでもやってくる山崎が来て


得意気に言う


「悠真の器用さだ!」


「ふふっ 山崎さんの御指南の賜物です」


「せやろ~」









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