人魚になんて、なれない
結局十二時のチャイムがなるまで、プールには誰も来なかった。
今の今まで気付かなかったが、吹奏楽部の音が結構校内に響いてる。
さまざまな音があふれている。
こんな状況で屋外の水音なんて聞こえようはずもないのに。
俺はそんな小さな音を聞き分けていたんだと、気付かされた。
それだけ、菊池のことを気にしていたんだと。
パレットを放り出して、椅子から立ち上がる。
目の前には、一筆も進まなかったキャンバス。
結局、昨日からまったく変化していない。
「……はあ」
自己嫌悪でため息がでる。
菊池の話が頭の中を巡って、俺を苛む。
嫌なことを思い出させたんじゃないのか。
本当は話したくなかったんじゃないのか。
そんなことばかり頭に浮かんで、どうしようもない。
昨日の菊池は、饒舌だった。
文章もところどころつながっていなかったり飛んでいたり、菊池らしからぬ話し方。
動揺していたんだろうか。
今の今まで気付かなかったが、吹奏楽部の音が結構校内に響いてる。
さまざまな音があふれている。
こんな状況で屋外の水音なんて聞こえようはずもないのに。
俺はそんな小さな音を聞き分けていたんだと、気付かされた。
それだけ、菊池のことを気にしていたんだと。
パレットを放り出して、椅子から立ち上がる。
目の前には、一筆も進まなかったキャンバス。
結局、昨日からまったく変化していない。
「……はあ」
自己嫌悪でため息がでる。
菊池の話が頭の中を巡って、俺を苛む。
嫌なことを思い出させたんじゃないのか。
本当は話したくなかったんじゃないのか。
そんなことばかり頭に浮かんで、どうしようもない。
昨日の菊池は、饒舌だった。
文章もところどころつながっていなかったり飛んでいたり、菊池らしからぬ話し方。
動揺していたんだろうか。