LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
帝王が、黄金の宝珠が、異変を察して慌て始める。
「な、何だ? 何が起こっている?」
【バカな! 閉じ込める気か!】
見くびらないでね。
閉じ込めるなんて悠長なこと、するわけないじゃない。
刹那の衝動。
何もかも砕けて壊れて消えてしまえばいい、と思った。
わたしの全部が急速に灰色になる。
石になる。無になる。死の世界になる。
彼も彼らも帝王も黄金の宝珠も、一瞬のうちに、わたしの灰色は呑み尽くす。
砕けてしまえ。
このココロごと、きみたちも全部、砕けてしまえ。
哀しみと怒りを凝縮して昇華して、憎悪と呪詛の結末へと創り変えるの。
さあ、悪夢の一枝を刈り取りましょう。
ここで全員、ゲームオーバーよ。
目覚めることのないアリスの体は、うっかりお昼寝したまま、静かに腐って朽ちていく。
おやすみなさい。
永遠に。