LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
鈴蘭さんが一歩、進み出た。
青獣珠のペンダントに、服の上から手を当てている。
「目的を聞かせてください。なぜあなたは、あんな非人道的なことをしたんですか?」
「非人道的なこと?」
「人や動物から魂を抜いて操るなんて、非人道的です!」
祥之助は笑った。
「人権尊重だの動物愛護だの、えらそうな口を利くつもりか? 人間のほうは同意の上だ。金も払ってやった。
動物も、魂《コン》は抜いたが、適量のエサを与えて肉体を生かしている。殺したわけじゃない」
「それでも、虐待してます!」
「ならば、何をどうやって、どんな機関に訴える?」
鈴蘭さんが言葉に詰まる。
祥之助の言い分は正しい。
宝珠のような異次元のチカラは、科学的に解析できないだけじゃない。
現行の法律によって縛ることもできない。
煥くんが舌打ちをした。
「あんたを法で裁けないことは、この際どうでもいい。オレがあんたに思い知らせればいいだけだ。あんたの目的を話せ」