LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


凛とした後ろ姿がキレイで、場違いだけれど、ぼくはリアさんに見惚れた。


リアさんはまっすぐに祥之助に近付いていく。



リアさんは祥之助のソファのそばに立った。


祥之助はリアさんを見上げた。



「預かり手でもないおまえには用がない。さっさと失せろ。今なら、おまえの無礼な言動も許容してやれる。ボクらは四獣珠がほしいんだ」



祥之助が言い切るかどうかといった瞬間だった。


リアさんが、祥之助の胸倉を左手でつかんだ。



「きみは宝珠に願いをかけたことがあるのね? 何を代償に、どんな願いをかけたの? 宝珠はね、使ってはならないのよ。人間はたやすく欲に溺れる生き物だから」



黄金色がギラギラとまたたいた。


リアさんは黄金色を見下ろした。


祥之助の胸倉から手を放す。


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