LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「聞くなぁぁあぁああああっ!!」
黒い戦闘服の男たちは、姿が確認できる範囲だけで十八人。
麻酔銃を手にしている。警棒やスタンガンの装備もある。
煥《あきら》くんが叫んだ。
「海牙、寄れ!」
ぼくはリアさんを抱えて、煥くんの背後に跳ぶ。
煥くんが両腕を真横に広げた。
手のひらからチカラがほとばしる。
空間が白く発光した。
瞬時に、合同な正六角形の光の板が多数、整列しながら出現する。
整然とした平面充填。
白い光がハニカム構造のドーム状になって、ぼくたちを覆った。
黒服が麻酔銃を構える。
祥之助が、撃てと命じる。
銃声。
銃弾はむろん、障壁《ガード》に触れて焼き切れる。
ぐるりと見渡した理仁《りひと》くんが、息を吸って、吐いた。
【とりあえず十八人ね。武装解除せよ! 麻酔銃だけじゃなくて、持ってる武器、ぜーんぶ捨てろ!】