LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
硬いものが人造大理石の床に落ちる音が、連なって響いた。
一人あたりの装備で、一体いくらかかっているんだろう?
鈴蘭さんが眉をひそめた。
「銃刀法違反です。あんな刃渡りのナイフ、どこで売ってるんですか?」
「ネットでいくらでも買える」
「煥先輩、何で知ってるんですか!」
「関係ねぇだろ」
【黒服の皆さん、素直だね~。お坊ちゃまのおもり、そんなにイヤ? んじゃ、ついでに防弾チョッキも脱いじゃう?】
「おまえたち、ボクの指示を……!」
わめき出す祥之助を尻目に、黒服が武装解除していく。
リアさんがぼくの両肩を押した。
「ちょっと、海牙くん、いい?」
「はい」
「下ろして」
「……すみません」
リアさんを抱えたままだった。いわゆる、お姫さま抱っこ。
離れていって初めて、リアさんの体のしなやかさを実感する。
いい香りもしていた。