LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


顔を真っ赤にした祥之助の頭上で、バチリと、黄金色が爆ぜた。


その瞬間、ぼくは鞭《むち》と鎖を幻視した。


鞭で打たれた祥之助が表情を消してうつむき、全身を絡め取る鎖に引かれて顔を上げる。



祥之助は笑って、黄金色の「彼」を呼んだ。



「きみの出番だ。ボクらのチカラを、やつらに思い知らせなきゃいけない。ボクはきみに願いをかける。きみは代償を食らって、存分にチカラを発揮するんだ」



リアさんと理仁くんが顔色を変えた。


理仁くんの力場が、ビリビリと、帯電するように気迫を増す。



【ナメた真似、すんなよな……!】



黄金色の宝珠が、ざらざらした声を上げた。


笑っているんだと、一拍遅れて気付く。


感覚神経を汚い爪で引っ掛かれるような、あまりにも不快な声だ。


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