LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
黄帝珠。
聞いたことのない名前が、スッと頭に入ってきた。
おそらく、玄獣珠のチカラだ。
玄獣珠はあの黄金色の宝珠を知っている。
祥之助が高笑いした。
「黄帝珠、可能な範囲でいいよ。ボクの願いを叶えて。でも、ある程度はやれるんじゃないかな。代償は、相互に作用させるから」
【何を願う?】
「あいつらのチカラを無効にする。朱雀の号令《コマンド》、あれは厄介だ。消してやる。
もう片方は、いちばん生意気なやつだな。玄武だ。あいつのチカラを代償にする」
願いは、理仁くんのチカラを奪うこと。
代償は、ぼくのチカラ。
単純にして効率的な構図だ。
ザアッと血の気が引く音を聞いた。