LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
【ダメだ止めなきゃこのままじゃまずいできないできないできないぼくのチカラを返せ見えない怖い誰か助けて止めて声が止まらない誰か止めて声を聞かれたくない聞くな聞くな聞くな体力が奪われるめまいがする止めないといけない声が止まらないイヤだ聞くなのぞくなぼくの思考に介入するな聞くなやめろ声を止めたい止まらない止まらない助けて情報が足りないぼくの声を聞くな聞くな聞くな命じ方もわからない声だけが流れ出る誰か止めて助けて怖い怖い怖い助けて!!!!!】
怖い。
未知のモノが体の中にある。
ぼくはそれを制御できない。追い出すこともできない。
ぼくはただ怯《おび》えることしかできない。
【誰か誰か助けて助けて怖い怖い怖い怖い聞くな止めたいイヤだイヤだ意識を失えばいいのかいっそのこと力尽きればいいのかイヤだ怖い怖い怖いどうすればいい誰か止めてほしいダメだ解決できない声を聞かないで思考をのぞかないで止まらない止めたいイヤだチカラを返してぼくのチカラを返して情報が足りない見えないこれはほしくないぼくの声を聞かないで勝手に流れ出る助けて制御できないできないできないできない不可能は怖い未知は怖い情報がほしい怖い怖い!!!!!】
あまりの恐怖に喉が干からびて、肉声を出すことができない。
なのに、思念の声だけが凄まじい悲鳴を上げ続ける。
自分の体が自分のものじゃないみたいで、それが怖くて仕方ない。