LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
煥くんが無理やり立ち上がるのが見えた。
鈴蘭さんがぼくのそばに這ってきた。
「外傷はない、ですよね? すみません、わたし、疲労は治せないから」
理仁くんが立とうとして、ふらつく。
目を覆って呻いている。
祥之助がブザーを鳴らした。
室内の黒服は動けずにいる。
どこからともなく、別の黒服が現れる。
数えられない。この程度の数を情報として処理するのに時間が必要だなんて。
ぼくは立ち上がれない。意識が遠のきかけている。
鈴蘭さんが、あっ、と声を上げた。
「何、これ? 青獣珠なの? 守ってくれるの?」
ぼくにもわかる。
胸元にある、自分のものではない鼓動がハッキリと聞こえる。
【玄獣珠が、温かい】