LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「海ちゃん、素直」
「聞かないでください、こんなの」
「思ってることが洩れるのは、疲れてるときは仕方ないって。おれでも、たまにポロッとやっちゃうもんね~」
【壁を……】
「理仁くん、どうやったら壁を保持していられるんですか?」
「けっこう無意識」
「ずるいですよ、そんなの」
「海ちゃんこそ、どうやってこんな視界に対応してたわけ?」
「無意識ですね」
「ほらね」
どうやって、ものを見て情報を得ているのか。
どうやって、声に出す言葉と胸に秘める言葉を選んでいるか。
無意識の判断は、幼児のころに徐々に身に付いていく。
通常の範囲の能力も、ぼくたちの異能も、使いこなすためのプロセスはきっと同じだ。