LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


「海ちゃん、素直」


「聞かないでください、こんなの」


「思ってることが洩れるのは、疲れてるときは仕方ないって。おれでも、たまにポロッとやっちゃうもんね~」


【壁を……】

「理仁くん、どうやったら壁を保持していられるんですか?」


「けっこう無意識」


「ずるいですよ、そんなの」


「海ちゃんこそ、どうやってこんな視界に対応してたわけ?」


「無意識ですね」


「ほらね」



どうやって、ものを見て情報を得ているのか。


どうやって、声に出す言葉と胸に秘める言葉を選んでいるか。



無意識の判断は、幼児のころに徐々に身に付いていく。


通常の範囲の能力も、ぼくたちの異能も、使いこなすためのプロセスはきっと同じだ。


< 149 / 415 >

この作品をシェア

pagetop