LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


ぼくは彼らに近付いて、一人の肩に手を置いた。


「まだ下校時刻じゃないでしょう? サボりですか?」



不良たちが一斉に振り返って、ぼくを見上げた。


三人の身長は大差なく、±30mm以内で、平均して約1,650mm。1,792mmのぼくよりもずいぶん低い。



ナンパする三人より、美人な彼女のほうが背が高い。


ハイヒールの高さは約90mmだから、彼女自身は1,675mmくらいか。



明らかにひるんだ不良三人が、必死で気合いを入れ直した。



「な、何だ、テメェ! テメェこそ大都の制服着てんじゃねぇか!」


「サボってやがんのかよ! お坊ちゃん校のガリ勉がよ!」



大都高校のグレーの詰襟を身に付けたぼくは、彼らに笑ってみせた。



「進路指導の学年集会が面倒で、抜け出してきたんですよ。ガリ勉と呼ばれるほど机にかじり付くのは、趣味じゃありませんしね」


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