LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


そうこうするうちに、真打ち登場。


大型バイクを飛ばして、ライダースーツ姿の煥《あきら》くんが到着した。



「悪い、遅くなった」



ヘルメットを小脇に抱えた姿は、男の目から見ても格好いい。


さよ子さんと鈴蘭さんが真っ赤になって騒ぎ出した。


煥くんのそばに寄っていくわけじゃない。ちょっと遠巻きな距離感で、キャーキャーと。



ぼくは白けてしまった。



「非常事態だとわかってるんでしょうか?」



理仁くんが笑った。



「ま、沈んで無気力になっちゃうより、全然よくない?」



煥くんが顔をしかめて、銀髪をクシャクシャと掻き回した。



「よくねぇよ。普段よりひでぇ扱いだ。何考えてんだ?」


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