LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
誰から話す? と目配せし合った。
ぼくは玄獣珠の鼓動を胸元に感じながら、言葉を出せずにいる。
思考がまとまらない。
下手に強い思念をいだけば、全部洩れ出てしまいそうで怖い。
ぐしゃぐしゃに疲れた精神状態のまま、議論を放棄しようとしている。
瑠偉がテーブルの上にタブレットPCを載せた。
軽く身を乗り出して、理仁くんのほうを見る。
「じゃ、おれから話していい? まず確認したいんだけど、理仁」
「ん? 何?」
「襄陽学園の理事長やってる長江って男、あんたの親父さん?」
理仁くんが瑠偉を見て、肩をすくめて笑った。
「バレちゃってんだ? せっかく隠してたのにな~。そうだよ。あのバカがおれの親父さんだよ」