LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


きちんと聞きたい気もする。


でも、話の流れに直接関与しないなら、今は聞く必要がない。


瑠偉は、必要ないと判断したらしい。


タブレットPCに表示したメモパッドを、指先でざっと流した。



「宝珠は数十年間、使われてなかった。少なくとも、総統がご存じの宝珠は全部、眠ってた。

唯一の例外が朱獣珠だ。この十七年間で、おれにわかるだけでも六回、長江家や襄陽学園に経済的な奇跡を起こしてる」



理仁くんが軽く両腕を広げてみせた。


六回なんてもんじゃない、と無言の笑顔が告げている。



眠っているべき朱獣珠が活動させられている。


それが四獣珠すべてを呼び起こしたんだろう。


そう言った瑠偉の予測は、ぼくと理仁くんの昼間の見解と同じだ。


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