LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


  四獣ノ預カリ手、ナラビニ吾ヲ責ム。

  黄帝珠、四ツニ割レ、沈黙セリ。



朱い墨で、重要な箇所に傍点が打たれている。


そこに書かれていたのは、四獣珠と黄帝珠、四人の預かり手と文天堂家当主の対立構造だった。



入手した記録をひととおり読んできた瑠偉が、簡潔にまとめた。



「実際のところ、記録にあるのは破壊って表現じゃない。四つに割られたって書いてあるんだ。そして、紛失や消失とは書かれてない。

で、実際、文天堂家のどこかに、割れた状態の黄帝珠があったんだろう。それを祥之助が見付け出して使い始めた」


< 171 / 415 >

この作品をシェア

pagetop