LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「その正方形の対角線の交点が、黄帝珠だということですか?」
「古来、『中華』という言葉があるだろう? 中華の色は、黄土の色、すなわち黄だ。四方の四色に囲まれた中央に、黄色が規定される」
煥くんが眉間にしわを寄せた。
「何となくだけど、あの黄色は、白獣珠より強い気がした。真ん中だからとか、帝を名乗ってるからとかじゃない。妙な人間臭さが、あれにチカラを加えてる感じがした」
総統が、ほう、と目を見張る。
「煥くんは鋭いね。どうしてそう思うのかな?」
「直感」
「なるほどね。きわめて正確な直感だ」
「あれが後からできたんだろう? 先に四獣珠があって、チカラの交点に、あれが生まれてしまった」