LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
煥《あきら》くんが天沢さんの翼を気にしながら、総統に鋭い目を向けた。
「この屋敷はどうなってるんだ? あんたは能力者を集めてるのか? それに、あんた自身、能力者だよな?」
総統が両肘をテーブルの上に突いて、両手の指を組み合わせた。
軽く身を乗り出すと、組んだ両手の上にあごを載せる。
【ここはちょっとしたお化け屋敷、かもしれないね。私は、能力者そのものを集めているわけではない。私の特殊な体質のために必要なものを集めている】
笑顔の総統の口元は動いていない。
声は、音を伴わないそれだ。
「特殊な体質って、何だ?」
【チカラが強すぎて困っている】
「あんたのチカラ、テレパシーだけじゃないのか?」