LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
理仁《りひと》くんが、ハッキリと青ざめた。
無理やり笑ってはいるけれど、総統を見る目が怯《おび》えている。
「すっげー失礼なこと言いまくるんだけど、平井のおっちゃんも海ちゃんも大目に見てね。視界、めっちゃ気持ち悪い。
おっちゃんがチカラ使ってるとき、情報量が意味わかんねえ。この数字でも文字でも記号でもないコレ、うじゃうじゃ動き回ってて、気持ち悪すぎ」
ぼくの力学《フィジックス》は、三次元的な物理法則を読み解くチカラだ。
宝珠や能力者のチカラは、その物理法則に属さない。
そこにエネルギーが存在することは見えても、ぼくのチカラでは解析できない。
理仁くんはギュッと目を閉じた。
それがいいと思う。