LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「海牙さん、今、余計なこと考えたでしょ!」
「え? 声、洩れてました?」
「顔に出てました!」
「……別に何も考えてませんが」
「わたしは決して天然じゃないです!」
【天然なんてかわいい表現、使ってない】
「ほら今! また余計なこと考えた!」
「……総統、話、続けません?」
「海牙さんが逃げた!」
総統はぼくを見てうなずいて、口を閉ざしたまま、話題の軌道を修正した。
【宝珠は、その等級如何で、預かり手の能力の強さを決定する。
四獣珠は比較的、等級が高い。陰陽を司る二極珠には劣るが、第三位と言っていいだろう。
第一位が何か、誰か想像がつくかね?】
誰か、と問いを投げ掛けられたのは、理仁くんと煥くんと鈴蘭さんだ。
それ以外のぼくたちは、総統が預かる宝珠の正体を知っている。