LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
ヴォーカリストのしなやかな声が降ってきた。
「この地球上でいちばんデカい球体ってわけだろ? そんなの、決まってる。地球そのものじゃねぇか」
【よくわかったね、煥くん。いつも、なかなか気付いてもらえないのだよ】
ぼくも瑠偉も、正解に至るまでに時間がかかった。
だって、ぼくたちの宝珠は直径20-23mm程度だ。
その先入観があるから、まさか平均直径約12,730kmの地球が宝珠の一つだとは思わない。
【大地聖珠《だいちせいしゅ》、と呼ぶのだ。私は地球という天体を預かっている。別の言い方もできる。私は、運命という大樹におけるこの一枝を預かっている】
「運命かよ? あんたは神さまなのか?」