LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


【神ではない。私は人間として生まれ、人間の肉体を持っている。天地創造をしたわけでもないし、不老不死でもない。最近は花粉症が気になったりする、普通の人間だ】


「でも、化け物級のチカラがあるじゃねぇか。何でも知ってやがる。運命を預かるなんて、普通の人間の仕業じゃねぇよ」


【運命の一枝、だ。運命は、多数の可能性の枝を持つ大樹の姿をしている。私は運命の大樹そのものではなく、一枝のみを識《し》る者だ】



鈴蘭さんが、そろりと手を挙げた。



「あの、平井さん、お願いがあるんですけど」


【何かな?】


「煥先輩を下ろしてあげていただけませんか? けっこう、つらそうです」


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