LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
煥くんが自分の席に戻って、両肩を軽く回した。
「そんだけチカラが強いくせに、妙に平等なんだな。偉ぶったやつなら、こんな丸いテーブルは使わねえ。給仕の順番も、自分を最初にしたがる」
煥くんの口調に愛想がないのは、これが彼のスタンダードなんだろう。
総統に敵意をいだいているからじゃない。
「私は決して偉くないからね。ただ単に、巨大な宝珠を預かっているだけだ。チカラが強いぶん、禁忌も大きい」
「禁忌?」
「きみたちにはろくな情報提供ができない。協力もできない。私が不言不動でなくては、因果の天秤が均衡しない」
理仁くんがようやく、手を下ろして目を開けた。
「あーもう、さっきはビビった~。で、やっとわかりましたよ。平井のおっちゃんが、全身にじゃらじゃら宝珠をくっつけてる理由」