LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「じゃらじゃら宝珠を、ですか?」
鈴蘭さんが、思わずといった様子で胸元に触れた。
ペンダントの青獣珠がそこにあるはずだ。
「ほんっと、じゃらじゃらだよ~。海ちゃんモードの視界だと、チカラがあるのが見えんだよね。等級が低いのから高いのまで、いろいろ。
おっちゃん、それ、結界でしょ? 自分のチカラが暴発しないように、宝珠のチカラで抑えてる」
瑠偉と天沢さんがうなずいた。
二人とも、宝珠を総統に譲渡した。
理仁くんの予測どおり、結界を作るためだ。
だから、この屋敷には能力者が集まっている。
総統のチカラの抑制に協力する預かり手が、宝珠を総統に譲渡する、あるいは貸与する。
その見返りとして、総統から仕事を与えられている人も多い。
複数の企業を経営する総統のもとでなら、異能を活かした仕事ができる。