LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
食事が運ばれてきた。
洋風の部屋には不似合いだけど、和食だ。
野菜や煮物を中心とした、高級料亭の弁当風。
鈴蘭さんが目を輝かせた一方で、煥くんが不満そうな顔をした。
気持ちはわかる。これだけじゃエネルギーが足りない。
そのあたりは、もちろんフォローがあった。
鶏の唐揚げとキャベツのサラダが大皿でやって来た。
おかわり用の雑穀米のおひつも一緒だ。
いただきますと手を合わせてから、またにぎやかになった。
「煥先輩、唐揚げ、取り分けますね」
「あー、鈴蘭、ずるい!」
「……自分でやる」
「おーい、おれにも回して」
「あ、瑠偉くん、取り分けるね♪」
「くん付けかよ。おれのが年上だってば」
理仁くんが静かだ。
隣にいると、ポーズだけの笑顔に隠してため息をつくのが聞こえてしまった。
「大丈夫ですか?」
理仁くんは箸を持ったまま、弁当に目を落としていた。