LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「あ、いや、あの、リアさんのIDからメッセージが……」
「海牙、おまえ、すげー嬉しそうな顔したぞ」
「それは、だって、当然でしょう? ようやく新しい情報を得て、これから動けるじゃないですか」
「何でおれんとこじゃなくて海ちゃんに?」
理仁くんが冗談っぽく言った。
瑠偉が冷静に、非情な事実を突き付けた。
「彼女本人が送信者じゃないからだろ。文天堂がいちばん嫌がらせしたい相手は、たぶん、海牙だ」
スマホのロックを外して、メッセージを確認する。
瑠偉は正しかった。
〈人質の命は無事だ〉
〈眠らせてある〉
〈様子を知りたければこちらへ来い〉
〈TOPAZに今夜〇時〉
〈必ず四獣珠を持参しろ〉
ぼくがトークアプリを開いているのを確認した上でメッセージを送っているらしい。
次々と短文が投げ付けられてくる。
ぼくはそれを読み上げる。
みんな、しんとして聞いている。