LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


黄帝珠が、さび付いた声を上げた。



【気に留めるでない、祥之助。所詮、弱き駄犬の無駄吠えだ。早く、事を運ぼう。我らを愚弄した罪は重い。五人まとめて「謎の衰弱死」を遂げてもらおうぞ】



煥くんが鈴蘭さんの肩をつかんで引き寄せて、祥之助から離した。



「謎の衰弱死? 何を言ってやがる?」


【肉体を損ねれば、現世の法がやかましい。かような愚行、我らは冒さぬ。

なに、魂《コン》を抜いて精神を昏睡させるのみで十分なのだ。魂《コン》を失った肉体は、おのずと滅ぶ。

さて、ここにすでに遊戯の舞台を用意してある】


< 220 / 415 >

この作品をシェア

pagetop