LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


黄帝珠が、ざらざらと不快な笑声を放つ。


祥之助は、その笑声を視覚化したような浅ましい表情を、華やかな顔に貼り付けた。



「さあ、預かり手の諸君、ゲームをしよう。ボクらが用意した迷宮から、制限時間内に脱出してもらう。

ゲームをプレイする間、おまえらの肉体は無防備な状態にさらされるが、ボクらはルールを守る。おまえらの体には一切さわらず、四獣珠にも手を付けない」



文脈から推測するに、その迷宮は物理的な存在ではない。


肉体に関与せず、精神のみが分け入ることのできる世界だ。



ぼくたちは目配せを交わした。


うなずき合う意味は、挑戦。


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