LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
理仁くんが問う。
「おれらが一定時間内にゴールできなかったら? おれらはどうなんの?」
黄帝珠がチカラの腕を魂珠へと伸ばす。
黄金色にまとわり付かれて、魂珠は嫌がるように発光した。
でも、光は淡い。
黄帝珠のチカラに呑まれて、淡いオーロラ色は次第に見えなくなる。
「それはまだボクもやったことがないな。他人のココロの中に置き去りにされたら、どうなるのか。まあ、普通に考えて、昏睡状態のままだろう」
「じゃあ、姉貴はどうなる?」
「異物を取り込んだ状態のココロは、早く濁る。濁り切ったら、もう意識は回復しないよ。冬眠状態の体はやがて、衰弱して死に至る」