LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
鈴蘭さんが胸の前でこぶしを握って、目を輝かせた。
「いつでも相談に乗りますから! 男子の恋バナって、すごく興味あります!」
「興味本位……」
「海牙さんの声がいろいろ聞こえてしまったときはビックリしましたけど、情熱的なのはとってもいいと思います!」
ぼくは、ほてった顔を手で覆った。
リアさんのことは嫌いじゃないし、年上の女性には妄想をいだいてきた。
でも、これを恋だと言える自信はまったくない。
欲望交じりの憧れに過ぎない。
後ろめたくて仕方がない。
理仁くんがパンパンと手を打った。
「ま、とりあえず、仕切り直し。海ちゃんいじるのはこのへんにして、先のこと考えよっか。まずは現状確認。上から落ちてきたんだとしても、上には戻れそうにないね」