LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
鈴蘭さんが真っ先にイヌワシに近付こうとした。
煥くんが腕をつかむ。
「ついて行くのか?」
「はい。大丈夫だと思います。あのぬいぐるみ、かわいいし」
かわいいかどうかは、この際、関係ない。
というか、あれはかわいくないと思う。
煥くんが鈴蘭さんの先に立った。
理仁くんがぼくを振り返った。
「あの鳥さん、もしかして海ちゃん絡み?」
「ええ、一応」
「あっそ」
「どうかしました?」
「こないだ、姉貴が珍しくぬいぐるみなんか持ってて、出所を訊いたんだけど、教えてくれなかった。
あのゲーセンデートの思い出の品ってわけ。なるほどね~、姉貴が妙に機嫌よかったわけだゎ~」