LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


鈴蘭さんが真っ先にイヌワシに近付こうとした。


煥くんが腕をつかむ。



「ついて行くのか?」


「はい。大丈夫だと思います。あのぬいぐるみ、かわいいし」



かわいいかどうかは、この際、関係ない。


というか、あれはかわいくないと思う。



煥くんが鈴蘭さんの先に立った。


理仁くんがぼくを振り返った。



「あの鳥さん、もしかして海ちゃん絡み?」


「ええ、一応」


「あっそ」


「どうかしました?」


「こないだ、姉貴が珍しくぬいぐるみなんか持ってて、出所を訊いたんだけど、教えてくれなかった。

あのゲーセンデートの思い出の品ってわけ。なるほどね~、姉貴が妙に機嫌よかったわけだゎ~」


< 237 / 415 >

この作品をシェア

pagetop