LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


すべての動物が乗った手のひらが、あっけなく、パシンと閉じ合わされた。


赤いものがしたたる。ぼたぼた、ぼたぼたと。


丘の緑は赤く濡れた。


汚れた両手のすべての指に、宝石細工の指輪がはまった。



【どうして?】


「前、チラッと話したでしょ? おれの親父、あのお坊ちゃんみたいなやつだって。朱獣珠を使いまくってさ、願いをかけて、金儲けして。

願いの代償としていちばん優秀なモノが何かって、今のを見てたら、わかるよね?」


【命……】


「そう、おれと姉貴が大事にかわいがってた動物たちの命。別にね、その現場を目撃してたわけじゃないよ。

でも、わかるじゃん? 朱獣珠もSOS出したかったみたいで、ある時期から、予知夢みたいな形でおれに見せるようになったしさ」


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