LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
玄獣珠の鼓動が速い。
朱獣珠が、忌まわしい記憶に苦悶しているせいだ。
同期した四獣珠の鼓動は、ぼくたちに一つの真理を告げる。
願いの代償として最も重いものは、命。
そして、それが喪われるときに流される涙。
あるいは、燃やされる怒り。
四獣珠は本質的に、命を食らうことを何よりも忌み嫌う。
「親父は動物がいなくなるたびに、また次のを買ってきた。おれも姉貴もさ、動物、好きなんだ。この子もまたすぐに殺されるってわかってても、無理だよね。
かわいがって、すげーつらい思いをする。あったかい喜びの思い出には、いつも、つらい結末が付いてくる」