LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
ぼくたちとリアさんとの距離が縮まらない。
途中からぼくたちは小走りになっていた。
それでも追い付けない。同じ空間を、ぐるぐると回っている。
「何がしたいんだよ、姉貴?」
髪を掻きむしった理仁くんに、煥くんが問い掛けた。
「リアさんって、友達いるか?」
「姉貴の友達? ん~、仕事仲間とか、連絡取ってる同級生とか? SNSで友達にする範囲の人はいるよ、もちろん。でも、あっきーが言う友達って、もっとガチの意味?」
煥くんがうなずく。
理仁くんはかぶりを振った。
「少なくとも、おれは知らねえ」
「彼氏は?」
「いたことなくはないかもしれない気がする」
「……今は、いないんだな?」