LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


突然、リアさんがぼくに近付いてきて、こぶしを固めて振り上げた。


避けることはできた。


その手首をつかむこともできた。


でも、ぼくは。



「…………ッ!」



ぼくの胸を叩くリアさんのこぶしを、ぼくはそのまま受け止めた。


息が詰まる。



【傷付けたければ、そうしてください。ぼくでよければ、怒りでも悔しさでも、ぶつけてください】



自分の見せ方が不器用なあなたと同じで、ぼくは、あなたの受け入れ方をよくわからない。


だから、できることを全部したいと思う。



【今のぼくにできることは本質的な解決にはつながらない。無力で、ごめんなさい】



あなたは独りじゃないんだと、どうすれば伝わるだろう?


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