LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「怖いでしょうね。大切なペットの命や、おかあさんの健康を奪っていった。その朱獣珠を自分が身に付けるなんて」
「すげー怖いよ。おれの前代の預かり手はひいばあちゃんでね、親父もさすがに手出しできない相手だった。チカラも強かったらしいし。
でも、おれが生まれると、ひいばあちゃんは無力になった。親父は、ずっと狙ってた朱獣珠を手に入れた」
それはリアさんにとって八歳のころだ。
朱獣珠の乱用の最初の犠牲者が、大型犬のキキだったんだろうか。
「朱獣珠はずっと、おとうさんが管理を?」
「うん。でも、おれより姉貴だよな。迷惑親父の被害に遭い続けてたのって、姉貴だ」