LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「何で即答できる?」
冷えて硬い口調は、理仁くんには似合わない。
彼にそんな苦しみを強いる人を、許せない。
「ぼくたちは出会って四日目だけどね。リヒちゃんの人間性はつかんだつもりです。ぼくはきみの人間性を信じている。
汚い野心のままにチカラを開放する黄帝珠とは相容れない。きみがあれを呼び起こしたなんて、理屈が通っていませんよ」
ぼくの言葉に根拠はない。
主張を裏付ける計算式なんか存在しない。
ここに存在するのは、理仁くんを信じたいという感情だけだ。
感情論なんて嫌いだった。曖昧で不確定で面倒で。
だからどうした。
感情論で上等じゃないか。