LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
次の扉は、すぐそこにあった。
扉を抜けると、天井の高い、朱い部屋だ。
二十五メートルほどの奥行きがあって、向こう側の壁にポツンと扉が付いている。
イヌワシが理仁くんの手から抜け出した。
ふわりと宙に浮いて、向こう側の扉を目指して飛んでいく。
けれど、軌道がおかしい。ランダムなジグザグに飛んでいく。
「とりあえず、追い掛けますか」
進もうとしたら、理仁くんに腕をつかまれた。
「そのへんから先、危険。無防備に突っ込んだら、死ねるよ」
「え?」
「上、見てみ」
指差された先は天井だ。
ぼくは息を呑んだ。
固定式のボウガンとでも表現すればいいだろうか。
矢を発射させる装置が、中央、右、左の三条に整列して、こっちの端から反対側までびっしりと連なっている。