LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
「怪盗ごっこ」
「そう、それ。あんときはひたすらビクビクしてたけど、後になってみりゃ、なかなかの武勇伝だよね。
ところでさ、海ちゃんって、自分の体のコントロールがうまいよね? 視界に映る数値に従って最適化した動き、ってやつ」
「ええ、得意です。それくらいできないと、その視界、メリットがないでしょう?」
「ま、ストレス多いよね~。というわけでさ、今から、おれの言うとおりに動いてくれる?」
唐突な提言に面食らった。
何事かと問う前に、指示が飛んでくる。
「かがんで、頭のてっぺんの高さを129.3センチに。誤差は±3センチ以内で」