LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―
とりあえず、理仁くんの指示に従う。
理仁くんの目が、ぼくを観察して計測している。
「お、高さピッタリ。右腕だけ挙げて、床との角度は55度に」
「できますよ、これくらい。突然、何なんです?」
「この部屋クリアする方法。あ、立っていいよ」
ぼくは膝を伸ばして腕を下ろした。
「リヒちゃんがぼくに指示を出して、ここをクリアさせる?」
「正解。普段の海ちゃんなら、赤外線センサーは楽勝でしょ?」
「そうですね」
「たいした密度じゃないから、口頭での指示だけでいけると思う」
「きみは?」
「おれはここで指示出すから。とりあえず、海ちゃん、先に行ってよ」