LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


理仁くんが満足そうに笑った。



「持ってっていいよ、姉貴のこと。てか、受け入れてやってください。おれにはできないことだから」



イヌワシがぼくの肩を叩いた。


へたり込んでいたぼくは、立ち上がる。


時間がない。



「やるだけのことは、やってみます。だけど……」



発言を、途中で奪われた。



「姉貴は強いよ。その強さは、おれを守るためのものだ。だから、姉貴は、おれの前で弱くなれない。強くなきゃ、姉貴は姉貴でいられないから。

でも、海ちゃんは、強い姉貴も弱い姉貴も知ってやれる。知って、受け入れてほしい。これ、おれからのお願い」


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