LOGICAL PURENESS―秀才は初恋を理論する―


できるんだと思う。玄獣珠も、本当は、みずからチカラを振るえる。


それをしないのは、禁忌だと固く理解しているからだ。


因果の天秤の均衡を守れと、四獣珠の本能には刻み込まれているから。



「世の中のエネルギーはすべて均衡の下に成立している。ところが、禁忌を守れず、均衡を崩す愚かな宝珠がここにある。運命の一枝も、揺さぶりを受けるわけですね」


【こしゃくな口を利くでない、玄武!】


「あいにくと、ぼくは絶望していないし、死に歓喜を覚えることもない。ましてや、何かを怨むつもりもありません。

怨むなんて面倒なことをするより、腹が立ったその瞬間に正面から叩きつぶします」


【生意気な愚か者が! あくまで我が意に染まぬと申すか! ならば、今すぐ滅べ!】



衝撃波が襲ってくる。


ぼくはいい。耐えてみせる。


でも。


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